ドンザ
丈夫に仕立てた仕事着


- (上)ドンザ(裄=ゆき=66.0cm、着丈127.5cm、重さ3290g)=県歴史文化博物館蔵(下)登録票((上)紙製、(下)布製)
ドンザは、紺無地や格子、縞(しま)、絣(かすり)の布を重ねて縫い、丈夫に仕立てた仕事着である。山仕事では草木から肌を保護し、漁に出た際には防寒着を兼ねた仕事着として用いられた。厚手にすることで、寒風を防ぐことができるがその分重い。
本資料の左脇のほつれた部分を確認すると、5枚の布が重なっている。裏側は色あせた端切れや擦り切れて穴の開いたぼろが重ねて縫われており、人目につきにくいからか、端の処理も切りっぱなしの箇所もある。表側の布も柄や大きさがまちまちで、中には大きく曲線を描いた布もあり、少しの布も無駄にせずドンザに仕立てたことがわかる。
このドンザは、2005年3月に松山市堀之内に所在した県立歴史民俗資料館が閉館した際に、当館に引き継がれた資料の一つである。歴史民俗資料館時代の資料情報によると、使用年代は明治から大正時代で、昭和60年ごろに松山市で収集されたという。具体的にどのような生業の方が使用したものなのかわからないのは残念であるが、当時の人々の物を大切にする気持ちが伝わる貴重な資料である。
歴史民俗資料館から当館に引き継いだ民俗資料は約1500件。移管後20年たった現在でも、資料の状態を確認し情報を記録して、登録票を付けた後、収蔵庫の棚に配架する整理作業を少しずつ進めている。いわば、引っ越して歴博の住民となった資料1点ずつの住民票を作り、住所を確定するような作業である。収集当時の状況など不明な点が多いが、現時点での情報を追加してまた次世代へつないでいく。
整理・保管方法は時代に合わせて変化しており、資料への負荷が少なく、管理も簡便な方法が各館で考えられてきた。歴史民俗資料館の染織資料は、細い針金のついた荷札に資料番号が記載され、資料裏側に留められていることが多い。針金などの金属は経年変化でさびる恐れがあるため、当館では紙製や布製の登録票を糸で留めるようにしている。
資料整理作業は、通常業務に加えて月に1度、ボランティアさんとともに行っている。導入当初の布製登録票は、四方を切りっぱなしにしていたが、「何十年後に登録票を見た人から、『この整理をした学芸員は誰ぞ』と言われないように」と、ボランティアさんが気を利かせて小さな登録票の端をミシンで処理してくれた。
今回、かつての仕事着であるドンザを通じて、博物館の資料整理作業とその継承の一端を紹介した。資料整理ボランティアに参加すると、博物館が収蔵するさまざまな貴重な資料に触れることもできる。興味がある方は、ぜひ当館までご連絡いただきたい。
本資料の左脇のほつれた部分を確認すると、5枚の布が重なっている。裏側は色あせた端切れや擦り切れて穴の開いたぼろが重ねて縫われており、人目につきにくいからか、端の処理も切りっぱなしの箇所もある。表側の布も柄や大きさがまちまちで、中には大きく曲線を描いた布もあり、少しの布も無駄にせずドンザに仕立てたことがわかる。
このドンザは、2005年3月に松山市堀之内に所在した県立歴史民俗資料館が閉館した際に、当館に引き継がれた資料の一つである。歴史民俗資料館時代の資料情報によると、使用年代は明治から大正時代で、昭和60年ごろに松山市で収集されたという。具体的にどのような生業の方が使用したものなのかわからないのは残念であるが、当時の人々の物を大切にする気持ちが伝わる貴重な資料である。
歴史民俗資料館から当館に引き継いだ民俗資料は約1500件。移管後20年たった現在でも、資料の状態を確認し情報を記録して、登録票を付けた後、収蔵庫の棚に配架する整理作業を少しずつ進めている。いわば、引っ越して歴博の住民となった資料1点ずつの住民票を作り、住所を確定するような作業である。収集当時の状況など不明な点が多いが、現時点での情報を追加してまた次世代へつないでいく。
整理・保管方法は時代に合わせて変化しており、資料への負荷が少なく、管理も簡便な方法が各館で考えられてきた。歴史民俗資料館の染織資料は、細い針金のついた荷札に資料番号が記載され、資料裏側に留められていることが多い。針金などの金属は経年変化でさびる恐れがあるため、当館では紙製や布製の登録票を糸で留めるようにしている。
資料整理作業は、通常業務に加えて月に1度、ボランティアさんとともに行っている。導入当初の布製登録票は、四方を切りっぱなしにしていたが、「何十年後に登録票を見た人から、『この整理をした学芸員は誰ぞ』と言われないように」と、ボランティアさんが気を利かせて小さな登録票の端をミシンで処理してくれた。
今回、かつての仕事着であるドンザを通じて、博物館の資料整理作業とその継承の一端を紹介した。資料整理ボランティアに参加すると、博物館が収蔵するさまざまな貴重な資料に触れることもできる。興味がある方は、ぜひ当館までご連絡いただきたい。
(専門学芸員 松井寿)
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